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Trans Europe Express 1958/06 Amtlicher Taschenfahrplan
(公式小型時刻表)
1958(昭33)年6月
Deutsche Bundesbahn
Eisenbahndirektion Koln
(西ドイツ国鉄・ケルン鉄道管理局)
228mm×188mm 302頁
TEE - ヨーロッパに広がる国際特急網

世界中の旅行者の憧憬をのせて
 欧州の鉄道は、国境を越えて走る国際列車網が特徴的ですが、その華やかな時代の時刻表です。旧西ドイツ国鉄のケルン鉄道管理局が発行した地方版で、表紙を飾るのは大聖堂の下を走るヨーロッパ横断急行−TEE(Trans Europe Express)の新鋭車両でした。流線型の斬新な車両デザインは、戦争による荒廃から立ち直りつつあった欧州鉄道の象徴であり、世界的にも有名になりました。

統合ヨーロッパへの第一歩
 TEEは1957年(昭32)夏に、当時飛躍的に発展しつつあった航空網に対抗し、各国の鉄道当局が連合して登場させた豪華ビジネス特急群です。一等車のみの編成・ディーゼル車両の投入によるスピードアップといったことが自慢で、年を追う毎に増発が続きました。

 しかし、TGVのような新しい形態の列車の登場や、エアバスによる大量航空輸送の到来で、かつての花形列車達も、1980年代には歴史の一ページになっていきました。


TEEのひとつ「パリ−ルール」号の時刻。その名の通り、パリとドイツの大工業地帯・ルール地方を結んでいました。
深夜に終着駅に到着するところからもうかがえるように、TEEはビジネス客の日着を見込んだダイヤ設定でした。
関連項目

豪華列車が彩った大戦間の欧州(ドイツ帝国鉄道/ミトローパ、1931年)
高速ディーゼル特急が都市間輸送をスピードアップ(ドイツ帝国鉄道、1933年−1936年)
中欧へ吹き荒れたナチスドイツの嵐(ドイツ帝国鉄道、1943年)
欧州戦線の終結と米軍による鉄道管理(米陸軍・欧州軍用鉄道、1945年)
東西ドイツを走り抜けた米軍専用列車(米陸軍、1947年−1951年)
次世代の鉄道車両を目指して(ニューヨーク・セントラル鉄道、1956年)
東海道に「ビジネス特急」登場(日本国有鉄道、1958年)
バスで結ばれる欧州大陸(ヨーロッパ・バス、1958年)
平和の戻った国際河川をゆく(ケルン−デュッセルドルフ・ライン汽船、1960年)
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