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AIR FRANCE 1938/10 EUROPE ORIENT EXTREME-ORIENT
1938(昭13)年10月
AIR FRANCE 
(仏)
215mm×123mm 16頁
日出づる東洋へ−インドシナ空路

パリ−サイゴン1週間の旅路
 黄金色の太陽が紅く染め上げる中に、飛行機のシルエットが浮かぶという、あたかもミュージカル「ミス・サイゴン」のポスター(この場合はヘリですが…)を彷彿させる表紙が印象的な、エールフランス極東線の運航予定表です。 当時、フランスはベトナムを中心とするインドシナ半島一帯を植民地としており、似た構図なのが件のミュージカルのポスターというのも、あながち偶然ではないかもしれません。
 路線は欧州から中近東を経由して、サイゴン(現・ホーチミン)やハノイから香港にまで至り、総延長1万3000キロにも及ぶ長大なものでした。

 この時刻表の頃以降のインドシナ半島は、南方へ進出しようとする日本と、宗主国であるフランスとの間の駆け引きの舞台となります。第2次大戦後は激戦の末、フランスからの独立をかちとりましたが、南北分断とその後の戦火は周知のとおりです。
 この資料には、時刻の明示はありません。左のように、ロンドンから香港までの、寄港地の発着日が掲載されています。ロンドンを10月5日に出発した便がサイゴンに着くのは11日。終着の香港には13日に到着です。
 上は、トリポリ・香港間で使用された、ドヴォアチン338型旅客機。細い胴体と長い機首が印象的です。
関連項目

大英帝国を結ぶ航空の大動脈(インペリアル航空、1936年-1938年)
欧州−東南アジア定期空路のパイオニア(KLMオランダ航空、1937年)
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