主要参考文献- REFERENCES

 各時刻表の掲載のきっかけや、解説にあたっては、多くの資料・文献のお世話になりました。
 絶版となって入手の難しいものもありますが、おそらく今後も長くその価値が失せることは無いと思われる(私見ですが・・・)ものを取り上げて、コメントしてみました。
 なお、下記以外にも多数の資料を参照させていただきました。詳細一覧表はこちらをご覧下さい。

旅行・交通・歴史全般

表題・編著者 発行元・発行年 内容等
昭和の旅
雑誌「旅」にみるなつかしの旅行史
日本交通公社
1989(平元)
 雑誌「旅」の過去の記事から、交通・宿泊・海外旅行等の変遷をあとを辿り、昭和の旅行のスタイルを回顧する。現代の旅行史を、趣味的観点からトータルに扱った類書がほとんど無いだけに、貴重な資料。
 巻末の「昭和旅行年表」が良くまとまっている。
旅程と費用概算 日本旅行協会
1938(昭13)
 戦前の国内(および中国大陸)旅行案内書。現在のJTBの前身である、日本旅行協会から改訂を重ねながら長らく刊行されていた。
 主要観光地の解説や、交通手段の説明が千ページ以上にわたって書かれており、当時の事情を把握する上で参考になる資料。
旅窓に学ぶ(全3巻)
長野秋峰 編
ダイヤモンド社
1936〜1938
(昭11〜13)
 鉄道各路線毎に、沿線風物・都市等をアカデミックに解説した本。東日本編・中日本編・西日本編の3分冊で、当時の日本全域と満洲を網羅している。
 当時でも、特定の都市や観光地に着目した案内書は少なくないが、実際にその路線に乗車している観点で車窓風景の移り変わりを詳述しているのは知る限り本書くらいで、貴重な記録。
時刻表百年史
高田隆雄 監修
松尾定行・三宅俊彦
新潮文庫
1986(昭61)
 私がこの道に入るきっかけとなった一冊。過去の主要なダイヤ改正の時刻表を何冊か題材に、その中に鉄道史・時刻表出版史を見るという内容。(絶版)
 当時、このように極めて趣味的な(しかも地味な)内容のものが、文庫で出版されたということ自体、何か時代の移り変わりを感じた。事実、今日の鉄道趣味の世界では、こうした"歴史研究"的分野が以前よりかなりメジャーになったのでは?

鉄道関係

表題・編著者 発行元・発行年 内容等
満鉄
原田勝正
岩波新書
1981(昭56)
 南満洲鉄道の通史を平易に解説した入門書。
 なお満鉄については、「鉄道ピクトリアル」160号(1964/8)で特集が組まれている。
台湾の鉄路
麗しの島の浪漫鉄路
徳田耕一
日本交通公社
1996(平8)
 ファンの関心の多様化に応えた企画群の並ぶ、"JTBキャンブックス"からの一冊。これまで海外の鉄道については、雑誌記事等の断片的な情報しかなかったが、現状の完全ガイドから歴史までの全体を網羅したこういった本の存在は貴重。
 同じシリーズで「韓国の鉄道」(中島廣ほか・1998)もある。
写真で楽しむ
世界の鉄道
星 晃
交友社
1959(昭34)-
1964(昭39)
 当時、国鉄の技師であった著者が、欧州やアメリカへの出張を通じ、現地の鉄道の実情を車両写真主体に紹介したシリーズ。
 前述の通り、日本では海外の鉄道について体系的にまとめられたものが非常に少ないため、過去の事情を知るには過去の時点の資料を参照せざるを得ない。そうした時に役に立つ本である。ヨーロッパ1〜4とアメリカ1・2の6分冊構成だが、絶版。

海事関係

表題・編著者 発行元・発行年 内容等
豪華客船の文化史
野間 恒
NTT出版
1993(昭5)
 定期豪華客船の通史について、国内で刊行された文献は、これ以外に殆ど見当たらない。内容は濃いが、専門書というよりは、読み物としても読める一冊。
日本の客船 1・2
野間 恒/山田廸生
海人社
1991/1993
(平3/5)
 日本船として就航した、数百隻の客船の写真とデータを紹介。1巻が戦前・2巻が戦後を扱っている。残念ながら絶版の模様。
 なお、「世界の船 '73」(朝日新聞社・1973年)に、"なつかしい日本の客船"として、戦前のみが対象ながら同種の企画がある。
北太平洋定期客船史
三浦昭男
出版共同社
1994(平6)
 戦前の日本にとって、最も馴染みが深かった北太平洋航路における、各社の興亡や使用船の変遷をまとめた労作。
RMS Queen Mary
50 Years of Splendour
David F. Hutchings
Kingfisher
Railway
Productions
1986(昭61)
 英国のかつての名豪華客船"クイーン・メリー"の建造から引退までを、写真と解説で紹介したもの。
 なお、当時の大西洋航路客船の発着地となったサウザンプトン港の歴史について、「150 YEARS OF SOUTHAMPTON DOCKS」(Bert Moody・1988)という一冊があり、こちらもあわせて興味深い内容。(ともに洋書)

航空関係

表題・編著者 発行元・発行年 内容等
Airlines of Asia since 1920
R.E.G Davies
PUTNAM
1997(平9)
 著者は民間航空史研究の第一人者で、多数の著作がある。
 これは題名通り、インドからモンゴルに至る、アジア各国の民間航空史を国別に紹介したもの。各航空会社の路線や使用機の変遷が網羅され、アジアの航空史研究のバイブルとなる一冊。(洋書)
Aircraft of the United States'
MILITARY AIR
TRANSPORT SERVICE

Nicholas M Williams
Midland Publishing
1999(平11)
 「東と西」で紹介した、日本にも馴染みの深い"MATS"に関し、最近出版された中身の濃い文献。主に使用航空機の解説が主体。(洋書)
 なお、日本で出版された在日米軍航空機写真集に、「フェンスの向こうのアメリカ」(ソニーマガジンズ・1991)があり、"MATS"全盛時代の質の高い写真と、当時の回顧に接することができる。(ただし絶版?)
満洲航空史話(正・続)
満洲航空史話編纂委員会
同左
1972/1981
(昭47/56)
 満洲航空に関わった人々によって編纂された、貴重な記録。史実の記述と個人の回想で構成。
 戦前の日本の国営航空事業については、「航空輸送の歩み」(大日本航空社史刊行会・1975)という同種の文献がある。
 今後これらを越える内容の文献はないのでは?
日本航空の社史各種 日本航空  「10年の歩み」「20年史」「社史」(と言う名の、その後の10年史)が古書として入手しやすい。
 当時、国際線を運航する日本の会社は同社のみであったため、特に20年史の内容は、そのまま日本の国際航空史として非常に参考になる。
(上表の掲載内容は順不同です)

 なお、上記以外にも多数の資料を参照させていただきました。詳細一覧表はこちらをご覧下さい。
 また、一般的事実の確認のために、各社/各機関/個人のホームページを多数参照させていただいています。

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