地図・沿線案内(その3)
−都市交通華やかなりし頃−


 市電やバスなどの都市交通は、頻繁に走っていることから、「時刻表」からは無縁な存在かもしれません。しかし、それらの路線図からは、それぞれの街の発展が見え、興味深いものがあります。
 また、路面電車全盛時代からバスや地下鉄へ、という時代の変遷もうかがえます。
 
 右は、日本最初に市街電車の開業した街、京都の市電系統図です。年代の記述は無いものの、路線から昭和10年頃と推定されます。

 画像の最下部が京都駅ですが、そこからまっすぐ上に伸びる烏丸(からすま)線のやや左に、青い一本の線が「北野」まで通じています。これが日本で最初の市外電車の路線の名残で、線路の幅が他の線より狭く、一線を画した存在でした。

 京都は伝統の街であると同時に、新しいものを率先して取り入れてきた街でもあります。左の中央やや下に、「トロリーバス」と書かれていますが、これも実用としては日本最初のものでした。
 
 こちらは北の街、札幌の市電・バス路線図。昭和ヒト桁頃のものと推定されます。
 今日では西4丁目からすすきのまで、一本の路線が残るのみとなりましたが、往時は東西南北に広く路線が伸びていました。後に開業した一部路線では、路面走行ながらディーゼルカーが使われたり、エキゾチックな都市ならではの特色を持った路線として知られていました。
 昭和27年頃の東京の都電・都バス案内で、その中からバスの路線図。一部分の画像ですが、稠密な路線網から都市とバスの発展が感じられます。

 驚くことに、東京駅から川崎駅への路線や、国鉄中央線沿いに立川や八王子に至る中距離路線の存在がありました。こうした路線は、道路渋滞の影響等で後に整理が進み、バスの活躍は都市内主体となってゆきます。

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