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Soviet Railways 1962/09 国際連絡列車時刻表および車両案内
1962(昭37)年9月
交通省 
(旧ソ連)
200mm×130mm 55頁
極寒をゆく大陸横断鉄道

共産圏のリーダーとして躍進の時代
 ソ連を旅行する外国人は、自由な移動は望めませんでした。しかしソ連国鉄は、国際列車の案内を発行し、対外宣伝に努めていました。この時刻表には、西欧諸都市や共産圏の主要都市への列車の時刻や、ソ連国鉄の車両の設備が紹介されています。

 当時は国力増進の一環として幹線の電化が進展していた時代でした、表紙にも、力強く走る電気機関車が描かれています。


閉ざされたシベリア横断鉄道
 ソ連の鉄道といえば、シベリア横断鉄道が想起されます。この時刻表にも、中国・北朝鮮・モンゴル方面への列車が掲載されています。当時は中ソ対立の厳しい時代でしたが、西側外国人からは見えないところで、シベリア鉄道は重要な外交上の役割を黙々と担っていたのです。


内容は、通常の上下に時刻が流れる形態のものが主体ですが、路線略図形式のものが見開きで掲載されています。
左上の5角形がモスクワを表し、一番右下はなんと北ベトナムのハノイです。
ハノイの左上は北京で、モスクワからの直通車両はここまで到達していました。
北京から、左への分岐はモンゴル経由の路線で、右への分岐は満洲里経由の路線です。(戦前の欧亜連絡列車のルート)
関連項目

激動の歴史を見つめた極東の十字路・ハルビン(東支鉄道、北満ホテル、1927年)
西洋と東洋を結んだ欧州の旅行産業(ワゴン・リ、1927年)
帝政ロシアの遺産を受け継いだソ連(インツーリスト、1935年)
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